ヘリウムガスに潜む危険

先日テレビ番組の収録中にヘリウムガスが入ったパーティグッズを勢い良く吸い込んだ12歳のアイドルが意識不明の重体に陥るという事故が起きました。医師の診断によると、脳の血管に空気が入り、血流を妨げてしまう「脳空気寒栓症」という状態だそうです。風船を膨らませる時にも使われているこのヘリウムガス、人体に害がないものとばかり思っていましたが、危険性があるのでしょうか?
日本中毒情報センターに寄せられた事故情報によると、その多くがヘリウムガスを吸い込んだことによる中毒事故だそうです。2001年から2013年までに32件あり、そのうち風船のガスを吸い込んだ事故は26件もあったそうです。「風船の吹込み口にストローを挿し、中のガスを吸った。その後フラフラとした足取りになり真っ青になって倒れた」という事例もあります。また過去にはヘリウムガスを吸った高校生が死亡する事故もあったようです。何故ヘリウムガスを吸うことでこのようなことが起こるのかというと、ヘリウムガスは分子量が小さく移動速度も速いため、酸素よりも速いスピードでハイの中に充満していくのだそうです。肺の中がヘリウムガスでいっぱいになってしまうと酸素を吸おうとしてもヘリウムに遮られ、酸素をうまく吸い込むことが出来なくなってしまいます。これは水の中で溺れた時に肺の中の空気と水が入れ替わってしまう原理に似ているそうです。パーティ用の声を変えるガスにも酸素は20%入っていますが、街で配られる付箋のヘリウムガスは99%で酸素は含まれていません。そのため風船の中のガスを吸い込んでしまうと意識消失、嘔吐、気分不良、顔面蒼白などの症状を訴えるようなケースが報告されているそうです。ヘリウムは害のないガスだという認識は間違いなので、パーティグッズを使用する時も注意書きをしっかり読み、くれぐれも街で配られている風船の中のガスを吸ったりしないようにしましょう。